7月2日実施!平成18年度司法書士試験「試験講評」
DAI-X NEWS vol.121 2006年08月号 【試験講評】
平成18年度の司法書士試験(筆記試験)が終わりました。会社法の大改正など、事前から注目度の高かった今回の試験について、午前の部、午後の部(択一・記述)を、さらに科目別に詳細に分析しました。
■午前の部 択一
憲法は、いずれも平易な問題であり3問とも正解しなければならない。
民法は、典型論点からの出題が多かったが、「準正」に関する問題と「遺贈」に関する問題では、受験生の解答が割れていた。身分法の分野は民法を得意とする受験生でも手が回らない者が多いことからすると、案外、正答率は低いかもしれない。
刑法は、いずれも著名な論点であり3問とも正解しなければならない。
会社法からは、種類株式、取締役会設置会社・非設置会社、監査役等が出題されていたが、受験生のできは良かった。
全般的にいって今年の午前の部の試験は、昨年より平易であった。従って合格ラインは昨年より1点ぐらい上昇することが予想される。午前の部の試験では、とかく出題数の多い科目に目が奪われがちであるが、受験生のレベルが高いうえに民法や商法を全問正解することは難しいので、憲法や刑法できちんと点数を稼いでおかないと合格はおぼつかない。
■午後の部 択一
民事訴訟法は、例年と比較すると難解であったという声が多かった。しかし問われていること自体は、基本事項であった。
民事執行法・民事保全法は、条文レベルの問題であった。2問とも正解に達しなければならない。
供託法の第11問、続く第12問の不動産登記法の問題とも、専門学校間で解答が割れていた。その他の不動産登記法の問題は、特に難解な問題はなかった。商業登記法も基本的に疑義の出た問題はなかった。
本年度は午後の部も基本事項を問う問題が多かったので、択一の合格ラインは1点位は上がるのではないかと考える。午後の部の択一は、後ろに記述式が控えているので時間との勝負となる。択一がたとえ満点でも記述式が合格ラインに達しなければ不合格となってしまうからである。択一でケアレスミスを如何に少なくできたかが勝敗を決する試験であったといえる。
■午後の部 記述式(不動産登記)
今年は全体的に基本的な出題がなされ、代襲相続と遺産分割を絡めた相続による所有権移転と抵当権移転、さらには、元本確定前の根抵当権の債務者の相続と指定債務者の登記という、受験生なら誰しもが書いたことがあるであろう論点の出題がなされた。落ち着いて解答すれば、大きくはずすことはなく、難易度はやさしい部類に入ると思われる。
■午後の部 記述式(商業登記)
会社法施行後、初めての出題ということもあり、難解な出題はなされないものと予想されていたが、王道を行く出題内容でシンプルに問題を解く能力が試される形となった。株式分割を起点として本来株主総会で行うべき決議を取締役会で決議することができるか否かが理解できていれば、後は素直に書くのみであった。
記述式全体の感想として、例年にないぐらいに基本的な力を試される問題であった。記述すべき分量は例年どおり多いため、とにかくすばやい判断と処理能力が試された。いかに午後の部の択一をすばやく終え、余裕を持って記述式に臨むかという基本的な訓練が重要であった。誰しもが見たことのあるはずの申請であるため、専門学校利用者であれば、その復習の中で十分に対処能力がはぐくまれるのではないだろうか。
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